鎌ヶ谷大仏の独り言

札幌ドームには家族連れが多い。
父親が、母親が、子どもを、はたまた祖父母が孫を連れて札幌ドームにやってくる。
プロ野球チームがはじめて北海道にやってきた、子どもに見せてやりたいという珍しさがあっただろうが、今やそれだけではない。
ファイターズの試合を見たいというのが直接の理由だろうが、親の心理の奥にはファイターズのプレーは安心して子供たちに見せられる、というのがあるからではなかろうか。

スポーツマンシップ、懸命にプレーをする、ずるさを感じさせない、そんなイメージがファイターズにあるのだと思う。

筆者が子どもの頃に、巨人、大鵬、玉子焼きという流行語があった。当時の子どもたちの大好きなものの代表だ。
好きなだけでなく子供心には、巨人、大鵬という現実の存在に、月光仮面や鞍馬天狗、赤道鈴之助に抱くのと同じような「正義の味方」のイメージを持っていた。
子供たちも自然にファイターズを正義に見立てるようになっているのかもしれない。

なんで、こんなことをグダグダ書いたかというと、１４日のロッテ戦を観戦していて思ったのだ。

ロッテの応援は、巷では好意的に思われている。
ベンチに背番号２６のユニフォームがかけられている。ファンは２６番目の選手で一緒に戦っている、という象徴だ。
サッカースタイルの応援を導入、これが多くの若者に受けたのかもしれない。

しかし筆者は、このロッテスタイルを好まない。

数年前までロッテは、相手チームのけん制のたびにブーイングを浴びせる、もちろん自軍のそれにはなにもしない。
そこには潔さをみられなかった。最近はそれがなくなっていたので、いい傾向だと思っていた。
ところが今季になって、間合いを取るために相手打者が打席をはずしたり、相手投手がプレートをはずしたりすると、またブーイングをするようになった。
もちろん自軍のそれにはしない。
相手投手にとって不利なカウントになると発する拍手，奇声。これはどこのチームにもあることだが、ロッテのそれは異常だ。かなりしつこい。
気弱な投手にとってはそれだけで怖気づいてしまう。それが狙いなんだろう。
巧みな心理作戦だ。あたかもロッテベンチから指令が出ているような絶妙なタイミングである。
まさに２６番目の選手の役割を発揮している。
しかし筆者には、それが正義の見方がやることではないとみる。
相手の弱みにつけこむやり方は、スポーツマンシップからかけ離れている。
筆者が小学生を持つ親だったら、マリン球場には連れて行かない。
札幌ドームとは対極的だ。

１４日の試合。東京ドーム。１対１の同点で迎えた１１回表。
６回表無死２塁で同点タイムリーを放った先頭打者福浦が四球で出塁。
ファイターズの守護神マイケルを例によって威嚇する応援が最高潮に達したとき、大松が放った打球は筆者が陣取るライト席の左前方１０ｍに飛び込む勝ち越し２ラン。１－３。万事休すだ。

しかし、この日は違った。先頭賢介が中直安で出塁。途中稲葉から交替の稲田に代わって鵜久森が中ゴ安で続き、無死１，２塁。三木がすかさず犠打、キャッチャーが１塁悪送球のなか、賢介が生還。２－３。
小山が投ゴも走者を進め、１死２，３塁。９回裏１死１，２塁のチャンスに空振の三振でバットをへし折ったその悔しさを胸に秘めながら小谷野が振りかざした渾身の一撃は、１，２塁間を抜け右前タイムリーとなり、３－３の同点に。
そして小谷野と同じく９回のチャンスにいい当たりながらも右飛に倒れた信二は今度はレフトへ逆転の犠飛、４－３！

正義は勝つ、という思いを抱かせた試合だった。チャンチャン♪

しかし、５月２５日同じく東京ドームの、しかしビジターとしての巨人戦で悲しい場面を何度か見た。
わがレフト側応援席から、小笠原が打席に立つたびに浴びせるブーイングと、巨人投手の牽制に対するブーイング。
これではロッテの応援レベルに成り下がってしまう。
ここは闘将会の面々よ、こういうことは止めようと率先して呼びかけて欲しい。

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